西洋の壁と日本の壁
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京都で京町屋・数寄屋建築を中心に広く左官工事を行っている「中須左官店」です。
早速ですが、西洋の建築に用いられる白い壁は、日本の漆喰壁と同じものなのか?
西洋の白い壁には、石灰系の壁とせっこう系の壁の2種類があります。
日本の漆喰壁も材料に水酸化ナトリウムを使用していますが、
西洋では、石灰石を焼いて生石灰にして、水に浸し湿式消化させたものを使用しています。
日本では空気中の湿気を吸わせて消化させる乾式消化という方法を用いています。
また、西洋の石灰系材料には糊を用いずに、上級の上塗りや磨き上げには大理石の砂を用います。
ではどうして日本の漆喰には糊を入れるのでしょうか?
それは鏝で引き伸ばしやすく施工しやすくなるからです。
そのほかにもひび割れ防止のために、麻スサや藁スサを入れたり、
磨き仕上げで紙スサを使うことも行われています。
ではなぜ西洋の白い壁と日本の漆喰壁は施工方法が違うのか?
それは気候風土の違いがあり、土壁下地には日本の方法の方が適していたことが関係してきます。
ヨーロッパには天然せっこうが豊富なのでよく使われるようになったともいわれています。
ちなみに日本にせっこう壁が入ってきたのは明治時代でした。
中須左官店
京都府京都市中京区壬生高樋町65-58
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2020.07.10