漆喰を構成する素材 1
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立秋を過ぎても暦上のことと言わんばかりに居座る暑さですが、お障りなくお過ごしでしょうか。
京都で京町屋・数寄屋建築を中心に広く左官工事を行っている「中須左官店」です。
今月から何か月かにわたり、漆喰を構成する素材について
ご説明させていただきたいと思います。
今回は牡蠣殻や、蛤、赤貝の貝殻を焼いて作る「貝灰」についてです。
貝灰は桜灰とも呼ばれ、牡蠣殻や、蛤、赤貝のほかに、ドブ貝やカラス貝、蜆などの淡水貝も使用されます。
貝灰は比較的容易に入手でき、800度~1000度と石灰石よりも低温で焼き上げることができます。
昔は地面を掘り、流木を用いて焼いていたそうです。
貝灰の特徴は石灰石に比べ、比重は軽いが、強度が低いところです。
他にも、亀裂や割れ目が生じにくいともいわれています。
色に関しては、黄色、グレー、ピンクなど様々なものがあり、その中でも、ホタテを使用した貝灰が最も白いとされています。
石灰よりも光沢が優しく仕上がり、漆喰を練った後も糊を補充しなくてもよいという利点があります。
近年貝灰を生産しているのは数社で、その理由としては、石灰石による石灰が安価になったこと、
さらに貝を保管しておく際や焼き上げる際に発生するにおいがきついため、
住宅地付近での生産ができなくなってしまったことにあります。
しかし一方で、リサイクルという面では貝を用いることで注目されつつあります。
中須左官店
京都府京都市中京区壬生高樋町65-58
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2020.08.10