漆喰の仕上げ
ホームページをご覧いただきありがとうございます。
本年も余日少なくなってまいりました。
京都で京町屋・数寄屋建築を中心に広く左官工事を行っている「中須左官店」です。
左官技術は地域によって様々な違いが生まれ、漆喰も各地で工夫されてきました。
調合や技法も季節や職人によってさまざまで、定義は難しいが、奥深いものとなっています。
その中で漆喰仕上げについても表現の可能性を広げてきました。
今回は基本の仕上げについてご説明したいと思います。
・おさえもの
伝統的な漆喰仕上げの一つである”おさえ”は塗った後に水引き加減を見ながら、金鏝で抑えて仕上げる技法です。
出来上がりは平たんで、麻スサは見えなくなり、プレーンで白い壁となります。
・磨き
昔より最上級の仕上げと言われているのが”漆喰磨き”です。
上塗りした後に、ノロというペースト状の材料を塗り、磨き鏝や手でこすり、入念に磨き上げます。
音や熱が出るほどの摩擦を起こし、水分を出すことによって艶を出します。
かなり難しい技術になりますが、うまく仕上げると鏡のような光沢を出すことができ、左官職人にとって腕の見せ所となります。
”漆喰磨き”はその美しさ以外にも、耐水性や堅固さも向上させます。
・なでもの
塗りっぱなしでそのまま仕上げるのが、”なでもの”です。
”パラリ仕上げ”もこれにあたり、京都御所もパラリ仕上げが用いられています。
今回は基本の漆喰仕上げについて述べてきました。
次々回は素朴な「漆喰仕上げ」についてご説明したいと思います。
中須左官店
京都府京都市中京区壬生高樋町65-58
事務所TEL:075-312-4656
2020.12.10